シェアオフィスは登記住所として利用可能?法人登記するメリットと注意点
2022年2月28日
法人を設立する際には法人登記が必要になります。この届出には「所在地」として住所を記載する必要がありますが、法人には登記が完了した後にも登記住所を記載する場面がたくさんあります。例えば、銀行口座開設の届出住所として、名刺やパンフレットへの記載住所として、特定商取引法の表記に、、、など様々な場面で登記住所を記載する必要があります。
一般の賃貸オフィスであれば、登記住所として利用することに問題はないのですが、シェアオフィスの場合は登記住所として利用できるのでしょうか?
この記事ではシェアオフィスを登記住所として利用する際の注意点とそのメリットについて紹介します。
目次
シェアオフィスは登記住所として利用できる?
会社法上はシェエアオフィスを登記住所とすることに問題はないですが、シェアオフィスは登記住所として利用できるものでしょうか?
利用できるシェアオフィスもある
結論から言うと、シェアオフィスの中には登記利用ができる施設とできない施設があります。法律上は登記利用をしても問題ない場所であっても、施設運営者側が何かしらの理由で登記住所の利用を禁止している施設もあります。
また、登記住所として利用できるシェアオフィスでも、月額の利用料金とは別に登記費用として料金を請求されてしまう施設もあるようです。
しかし、近年では賃料以外の追加料金なしで登記利用ができるシェアオフィスも出てきており、以前に比べてシェアオフィスで法人登記をすることが身近になってきています。
住所利用と登記住所利用の違い
登記した住所の利用方法は先述の通りですが、実はその利用方法も大きく2つに分類することができます。それは「住所利用」と「登記住所利用」です。
「住所利用」・・・ホームページや名刺などの印刷物に記載したり、郵送物の配達先として利用するもの。
「登記住所利用」・・・法人登記の際の住所として利用し、それに伴って銀行口座開設などの本店所在地として利用するもの。
シェアオフィスによっては、住所利用については認めていても、登記住所として利用することは禁止している施設もあるので、目的に合わせて「住所利用」、「登記住所利用」が可能か確かめる必要があります。
シェアオフィスを登記住所として利用するメリット
シェアオフィスを登記住所として利用することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
実際にいくつかメリットを挙げてみましょう。
自宅住所を公開しなくても良い
起業して初めて法人登記をする際に、自宅を登記住所として利用するケースも非常に多いでしょう。
オフィスを賃借して法人登記をするよりもコストがかからないため、スモールスタートの場合は、自宅を登記住所にする方も多いでしょう。
しかし、自宅を登記住所として利用する場合、法人の登記住所として一般に公開されてしまうというデメリットがあります。法人登記の情報は一般公開されているため、自宅に法人向け商材のDMや営業電話がくるようになります。プライバシーの観点から見ると自宅を登記住所として利用するのはリスクが高いとも言えるでしょう。
シェアオフィスの場合は、公開されている登記住所がシェアオフィスの住所になるため、プライバシー保護の観点からも安全と言えます。
さらに、シェアオフィスによっては法人向け商材のDMや営業電話などは受付で対応してくれる施設もあるので、事業に集中することができます。
低コストで信頼性の高い住所を利用することができる
シェアオフィスはその特徴の一つとして、駅近かつオフィス街の中心に位置していることが多いです。駅近の好立地の方が集客がしやすいことがその大きな理由です。
新たに法人登記をするスタートアップにとって、取引実績も少なく知名度もないなかで、住所はイメージを左右します。また、新規に取引をする場合や、口座開設時や融資審査の際に、本店の所在地を確認するケースも多いでしょう。
シェアオフィスであれば、安価に業態や事業規模に合わせた立地を借りられるのは大きなメリットとなります。
付帯サービスを利用できる
一般のオフィスと比較してシェアオフィスを登記住所として利用した際の大きなメリットは様々な付帯サービスを利用できる点です。
先述の通り受付で配達物の受け取りや来訪者の対応があるだけではなく、郵便物の転送をサービスとして提供している施設もあります。
また、一般のオフィスでは来訪者対応専用の商談スペースや会議室を設ける必要があるため、執務スペースが狭くなってしまうなどの問題点がありますが、シェアオフィスの場合、あらかじめ商談スペースや会議室が用意されているため、執務スペースを広く取ることができます。
施設によっては他にも様々な付帯サービスが用意されており、ピッチイベントを実施していたり、施設への入居によって助成金申請要件を満たすことができるシェアオフィスもあります。
利用したい付帯サービスの有無によって入居シェアオフィスを選んでみても良いかもしれません。
シェアオフィスを登記住所として利用する際の注意点
シェアオフィスを登記住所として利用する際のメリットを挙げてきましたが、いくつか注意点があります。
そもそも登記住所としての利用を禁止しているシェアオフィスも多く、利用を許可しているシェアオフィスについても登記住所利用する場合には追加料金が必要なオフィスもまだまだあります。
また、人材紹介事業などの許認可が必要な業種では、賃借する部屋によっては許認可が取得できない場合もあります。入居する前に自身の業種に合わせて許認可の取得が可能かどうか、過去同様の許認可を取得した実績があるかを確認した方が良いかもしれません。
シェアオフィスを登記住所として活用する代表例
これまでの説明を踏まえて、これまでこのような方々がシェアオフィスを登記住所として活用しています。
スタートアップの立ち上げ
現在フリーランスで働いている方や、新たに起業を考えている方にとってシェアオフィスでの法人登記は非常にお勧めです。
メリットでも説明した通り、自宅の住所を登記住所として公開することなく低コストで拠点を構えるためには、シェアオフィスを利用することは非常に合理的です。
また、シェアオフィスは様々な業種の企業が入居しているため、人脈を広げたり、事業のメンターが見つかるかもしれません。
実際にシェアオフィスを利用される入居企業の中には、人脈拡大やビジネス領域拡大を目的にされている方も多いので、良い出会いが見つかることもあるかと思います。
サテライトオフィスとしての利用
昨今のテレワーク拡大の影響により、本社以外にサテライトオフィスを設ける企業が増えています。
サテライトオフィスの設置を検討している企業にとって、シェアオフィスは非情に便利な施設となるでしょう。
多拠点運営をしているシェアオフィイスでは社員の居住地域に近いシェアオフィスをサテライトオフィスとして利用できる他、初期費用や月額費用が安いため、一般の賃貸ビルでサテライトを設ける場合と比較してコストを抑えることができます。
また、地方から首都圏、首都圏から地方に支店設けたい企業にとっても最適です。
本店とは別に支店を設ける場合、新たにその支店を登記しなければならないと会社法で定められています。
登記住所利用可能なシェアオフィスなら支店としての利用も可能な他、人員の増加や減少に対しても柔軟に対応することが可能です。
シェアオフィスでの法人登記を検討してみませんか?
シェアオフィスで法人登記をする際のメリットとその活用例、注意点について紹介してきました。
多くの企業にとってシェアオフィスでの法人登記はメリットが多く、事前確認さえ怠らなければ、便利に利用できる施設・サービスなのです。
新たに法人登記を検討している方、本店以外の地方への支店出店を検討している企業の方は、ぜひシェアオフィスでの法人登記を検討してみてはいかがでしょうか。
VENTURE MAFIA 五反田では、法人登記が可能な上、別途登記費用を頂戴しておりません。
さらに、入居企業様には銀行口座開設のサポートや創業助成金の申請サポートなど様々な付帯サービスと低コストを実現したシェアオフィスを提供しております。