インキュベーションオフィスとは?活用するメリットや他のオフィス形態との違いを解説
2022年11月7日
インキュベーションオフィスとは、企業および事業の拡大支援体制が備わっているオフィスです。
具体的なインキュベーションオフィスの特徴や、受けられるサポートなどのメリット、シェアオフィスのような他の形態のオフィスとの違いをご紹介します。
目次
インキュベーションオフィスのメリットとその特徴とは?
インキュベーションオフィスとはどのようなものなのか、メリットや特徴をご紹介します。
インキュベーションオフィスとは?
インキュベーションオフィスとは、会社の設立や事業の拡大をサポートしたり支援したりしているオフィスです。インキュベーション(Incubation)とは卵が孵化すると言う意味の言葉で、「新しい事業を育成する、サポートする」と言う意味の経済用語として現代では主に使用されています。
インキュベーションオフィスの特徴
インキュベーションオフィスの入居者は、これから起業をしようと考えている人や、事業を拡大したいと考えている企業です。入居者同士が情報を交換し悩みを共有し合うことで、ビジネス上の気づきやヒントを得られる可能性があります。
メリット
インキュベーションオフィスを利用するメリットには、以下のようなものがあります。
- 家賃が安い
- インキュベーションマネージャーのサポートが受けられる
- オフィスに必要な設備が整っていて、初期投資が抑えられる
インキュベーションオフィスでは家賃補助が受けられるため、家賃を安く抑えることができます。家賃補助制度が適用された場合の実質負担額は、本来の家賃の50%〜70%程度です。経費を抑えることで事業の発展のための投資ができます。
インキュベーションマネージャーとは、知識や経験が足りない事業者の相談相手です。詳しい支援内容は後述しますが、入居事業者に対し創業や事業を安定させるためのサポートをします。初めての起業で不安が大きい人にとって心強い味方です。
起業してオフィスを設けようとすると、オフィス賃料の他にオフィスのレイアウトや家具、OA機器やネット回線、文具などの設備を揃える必要があります。インキュベーションオフィスを利用すればこれらは整った状態である上、管理や補充なども任せてしまうことができます。
さらに、ミーティングルームやラウンジなどが備わっていることも多く、外部の施設を探し契約の手続きする手間も省けます。
デメリット
インキュベーションオフィスにもデメリットがあります。
- オフィスの自由度が低い
- 入居までの手続きが多い
- 金銭以外の対価を求められることがある
一般的な賃貸オフィスとは異なり、すでにレイアウトが終わったオフィスをレンタルする形式になることが多く、工事を伴うレイアウトの変更などができないことがほとんどです。
また、デスクなどのオフィス家具も選べないので、好みのデザインのオフィスを構えたいと考えている創業者にはデメリットと感じられるでしょう。
インキュベーションオフィスは入居前に面接や審査、事業計画書などの提出が必要です。さらに、家賃補助を受ける場合は別途書類提出が必要になります。通常の方法でオフィスを借りる場合と比較して手間も時間もかかります。
インキュベーションオフィスを利用する際に注意したいのは、賃料が安い代わりに契約内容の中にストックオプションの付与や事業が成長した際の投資の確約などの条件が盛り込まれている可能性がある点です。
入居時は問題ない条件だったとしても、事業を進めていくと支障がでることもあります。契約前に事業計画書と契約内容を照らし合わせて検討するようにしましょう。
シェアオフィスやコワーキングスペースなどとの違い
インキュベーションオフィスと近い形態のオフィスとして、シェアオフィスやコワーキングスペースなどがあります。
コワーキングスペースとは、1つのオフィスを複数の企業や個人で共有するスタイルのオフィスです。席も自由に選べるフリーアドレス性であることが多く、他社社員と隣り合うことも多いという特徴があります。
シェアオフィスも1つのオフィスを複数の企業や個人と共有しますが、個室や半個室を含め、専用スペースを用意することのできます。では、シェアオフィスとインキュベーションオフィスの違いを詳しくご紹介します。
シェアオフィスとの違い
シェアオフィスもインキュベーションオフィスと同様にオフィスに必要な家具や設備は整っています。しかし、インキュベーションマネージャーからのサポートは受けられませんし、家賃補助もありません。
入居のための契約に関する手続きは、インキュベーションオフィスの方が複雑です。また、インキュベーションオフィスの契約は1年間(年単位)であることが多く、場所によっては延長に関しても一年単位が前提なケースも。
しかし、「創業や事業の拡大を支援する」という理念で創建されたがゆえ、インキュベーションオフィスを借り続けることはできません。長期間使用したいと考えているのなら、延長や更新が可能なオフィスを選ぶようにしましょう。
インキュベーションオフィスは公的機関が運用していることが多いという特徴もあります。
行政認定のインキュベーションオフィスとは?
民間が運営するインキュベーションオフィスの中で、一定の条件を満たしたものは行政認定のインキュベーションオフィスとして登録されています。
認定は都道府県によって行われており、認定のための要件も都道府県により異なります。
東京都認定のインキュベーションオフィスとは
東京都のインキュベーションオフィスについてご紹介します。東京都では平成27(2015)年度から「インキュベーション施設運営計画認定事業」を実施しています。この事業は民間事業者の創業支援の取り組みを後押しし、都内の開業率を向上させることが目的です。
東京都では一般的なインキュベーションオフィスの他に託児付きや分野特化型のオフィスを認定しており、創業を考えている人のニーズに合わせてさまざまな事業者が認定を受けています。
これまでに80以上の事業所が認定を受けていて、こちらのページから認定を受けている施設の一覧が確認できます。
VENTURE MAFIAも「インキュベーション施設運営計画認定事業」の認定を受けています。日本のシリコンバレーとも言われる五反田に2ヶ所あり、どちらも五反田駅から徒歩3〜4分です。
インキュベーションマネージャーが常駐しており、入居者同士やさまざまな専門職の方との円滑なコミュニケーションをサポートしています。また、地区最安値基準の賃料で設備の整った通いやすいオフィスを提供可能です。
インキュベーションオフィスがおすすめな企業とは?
インキュベーションオフィスの利用が向いている企業の特徴をご紹介します。契約までに手間がかかることを理解した上で、以下のようなことがらを重視したい方におすすめです。
便利なオフィスを安く利用したい企業
インキュベーションオフィスを借りると、オフィスへの初期投資や手続きが不要です。前述した家具やAO機器などの購入の他、Wi-Fiや電気、水道開通のための工事や手続きをすることなく利用でき、便利です。
ただし、これらのメリットはレンタルオフィスやシェアオフィスでも得られます。インキュベーションオフィスの魅力は家賃補助を受けられ、便利なオフィスを安く借りられる点です。
家賃補助を受けるには、契約のための書類とは別に専用の書類を提出する必要があります。また、基本的には契約は1年で、更新できる場合でも再度手続きが必要です。
これらの手間を考えても、インキュベーションオフィスの方がメリットが大きいと感じられる場合は、利用に向いていると言えるでしょう。
起業や経営に関するアドバイスを受けたい方
インキュベーションオフィスにはインキュベーションマネージャーがいます。インキュベーションマネージャーとは、入居者の経営相談役です。主に次のような相談ができます。
- 事業計画、改善点、改善方法のアドバイス
- 経営だけでなく、技術、特許、法務、税務、労務に関するアドバイスや専門家とのマッチング
- 各種支援施策や外部施設活用のアドバイスと手続き支援
- 広報支援
起業や事業拡大にあたって作成した事業計画を評価し、改善点や改善方法のアドバイスを受けることができます。また、経営に関することだけでなく、企業を運営する際に必要な事務的業務についてもアドバイスを受けることができます。
専門的な相談をしたいが、人脈が乏しいゆえに相談相手が見つけられない場合は、インキュベーションマネージャーから紹介してもらうことも可能です。
行政や企業では各種創業支援施策やセミナーがあり、さまざまな施設を活用できる場合があります。しかし、それらの情報を少ない社員で集めるのは難しいでしょう。インキュベーションマネージャーが知識を提供することで、起業者が情報を集めやすくなり、より事業を進めやすくするのが目的です。
SNSの活用など広報支援を行っていることもあります。SNSの運用方法の紹介だけでなく、専門家の紹介などの支援方法もあります。
他の起業家と交流したいスタートアップ企業など
インキュベーションオフィスを利用することで交流会などに参加でき、他の起業家との交流を図るチャンスが増えます。交流を図ると次のようなメリットがあります。
- 他業界の流行や今後の動向がわかる
- 刺激を受け、新しいアイデアが生まれる
- 悩みの共有や問題解決のヒントをもらえる
他業界の状況や今後の動向を知ることで連携できるものが見つかり、新たなビジネスチャンスを得やすくなります。また、起業時は社員の数も少なく社内の意見も広がりにくいのですが、さまざまな人と話すことで新しいアイデアが生まれたりすることもあるでしょう。
さらに、起業家としての悩みを共有できる上、同じようなフェーズにあれば似た悩みを感じることもあり、お互いの経験が問題解決のヒントになることもあります。
このように人脈を広げることで、起業当初はインキュベーションマネージャーから専門家を紹介してもらう必要があった人でも、社員の人脈を使って専門家とやりとりできるようにもなっていきます。
認定インキュベーションオフィスを活用しよう
インキュベーションオフィスとは起業や事業の拡大のサポートや支援を受けられるオフィスです。インキュベーションマネージャーがいるので事業計画の相談や広報の支援を受けられるだけでなく、さまざまな専門家とのマッチングや事務的業務のアドバイスも受けることができます。
また、オフィスはすでに設備が整っており自社で機器や家具を揃える必要がない上、申請することで家賃補助を受けることも可能です。ミーティングルームやラウンジを使うこともでき、外部施設の契約手続きや経費処理業務が発生しません。
インキュベーションオフィスの中でも一定の条件を満たしたものは行政が認定するインキュベーションオフィスとしてホームページなどで紹介されています。東京都では一般的なインキュベーションオフィスの他、託児付きや業界特化型など特徴のあるインキュベーションオフィスもあり、社に合ったものを選べるのもポイントです。
一定基準を満たしているので、インキュベーションオフィスとしての設備やサポート体制も充実しており安心して使用できます。創業や事業拡大を考えている方は認定インキュベーションオフィスの使用がおすすめです。
VM紹介
東京都にインキュベーションオフィスとして認定されているVENTURE MAFIAは、五反田に2つのシェアオフィスを展開しています。オフィスはどちらも五反田駅から徒歩5分以内でアクセスがよく、自社社員が通勤するのも、外部の方を招くのにも便利です。
社員の人数に合わせたシェアオフィスやコワーキングスペースなど、適切なスペースを利用することが可能な上、おしゃれなラウンジや会議室があり、ちょっとした打ち合わせから本格的な会議まで、さまざまな場面で利用できます。電話ブースもあるので、周囲の人への音の配慮ができるだけでなく、情報漏洩リスクも下げられます。
サービス面では平日は受付対応をしているので、郵便物などの受け取りや来客への対応もしやすいです。清掃は共有部だけでなく個室も対応可能で、社員は業務に集中できます。
また、オフィス家具や設備だけでなく、高速無線インターネットや水道光熱費も料金に含まれていて固定費として計算できます。変動日が少なく、経費の予測が容易になります。
VENTURE MAFIAでは、契約や決済、会議室の予約などを1つのシステムで管理しています。煩雑な経理業務を減らし、本来の業務に取り組む時間を増やすことができます。
インキュベーションオフィスとして、ぜひVENTURE MAFIAの利用をご検討ください。