リモートワークは本当に浸透したと言えるのか
2021年6月15日
Covid-19の感染拡大に伴い、各社がリモートワーク・テレワーク(以下テレワークに統一)の活用など様々な施策を実行してから約1年が経過しました。企業にとってもこの未曾有のパンデミックに早急に対応する必要があり、いかに社員の安全を確保しつつ、通常以上の経済活動を維持するかという、非常に難しい判断に未だに悩まされている状況だと言えるでしょう。
政府もその企業の悩みを解決するために助成金を拡充させるなどの対策を講じており、近年議論されてきたテレワークの是非という議論が大きく進んだように思えます。これまで他の先進諸国に比べテレワークの利用などが進んでいなかった日本の多くの企業にとって大きな転換点となっていることは間違いないと言えます。
総務省HP:
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/
厚生労働省働き方改革推進支援助成金:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/telework_10026.html
しかしながら実際に自分の働いている職場で”それ”を実感できている方はそう多くはないのではないでしょうか?
パンデミックの初期には各社一斉にテレワークを実施し、オフィスへの出社を制限していたように見えますが、約1年が経過した今では、また朝の満員電車の光景が人々の当たり前に戻りつつあります。
2021年4月22日に公益財団法人日本生産性本部が「第 5 回 働く⼈の意識に関する調査」の調査結果レポートを公表しました。2020年5月より実施されている本調査では、テレワークの実施率やその内容、さらにはテレワークによる効率性についてを調査しています。本コラムにおいては当該レポートの「図44 テレワークの実施率」「図48 自宅での勤務で効率は上がったか」「図50 テレワークの課題」の3つについて取り上げてみたい。
「図44 テレワークの実施率」から読み取れるように、一般に”テレワーク”と称される「自宅での勤務」「サテライトオフィス等での勤務」「モバイルワーク」の実施率については感染拡大直後の2020年5月を最大に、下降傾向にあり、その実施率は2021年4月時点で約20%となっている。
感染拡大直後に比べテレワークの実施率は約10%ほど低下しており、Covid-19の予防策やワクチンの接種が一般的になるにつれ、さらに低下する可能性があります。
つまり、急を要さない場合(今回のような感染拡大が起こらない限り)には、まだまだ多くの日本企業はテレワークを必要としていない、あるいは実施する予定ではないと言えるでしょう。
加えて、テレワークの大多数を占める在宅勤務については、2020年7月以降はテレワークにに適した職種・業種の選別が大方終わったことにより、効率性がある程度担保され始めていますが、それでもなお約半数は効率性が下がったと認識しているようです。
テレワークの効率性・満足度が高止まりしている原因を「図50 テレワークの課題」から読み取ると、情報セキュリティ対策やオフィスのみで閲覧可能なファイルが存在することなどのセキュリティ関係の問題を抑え、デスクやチェアなどの什器の整備が難しいことや、通信環境の整備が難しいことが大きな割合を占めております。
先述の通り、政府が様々なテレワーク設備の拡充に対し助成金を設置していますが、実際には各個人にそれぞれ設備を普及することは難しく、什器や通信設備などの物理的障害がネックとなり、テレワークの実施率が20%程度にとどまっているとも読み取れるかと思います。
テレワークでは、設備の整備や生産性がある程度個人に依存してしまうことで、従業員にとって負担となってしまうだけでなく、企業も従業員の生産性を管理するために新たなSaaSを導入しなければいけなくなってしまうなどの無駄な手間がかかってしまうことが考えられます。
一方、いまだ実施率が3%程度である、サテライトオフィスの活用ではいかがでしょうか?
什器については高品質なものが備え付けてあり、セキュリティ対策が施された通信設備も用意されております。
また、施設によっては入退室の管理ができるスマートロックが設置されている場合もございます。
AND SPACEではスタートアップ企業様の本社としてのご利用に加え、大企業様のサテライトオフィスにも最適なシェアオフィスをご用意しております。
是非一度、当社オフィスまでご利用料金などをお問い合わせくださいませ。