スタートアップとベンチャーの違いについて解説!|スタートアップで働くメリットとは
2022年9月2日
働き方が多様化した現代社会では、今までのように大企業で働く生き方を避け、スタートアップやベンチャー企業で働くことを望む人が増えてきました。しかし、一口に「スタートアップ」「ベンチャー」といっても、実は両者には少しだけ違いがあります。
この記事では、スタートアップとベンチャーの違いについて解説しつつ、スタートアップで働くメリットについてご紹介します。スタートアップでの働き方に興味のある方は必見です。
目次
スタートアップとは
まずは、スタートアップの概要について解説します。
スタートアップとは英語の「startup」を由来とするビジネス用語で、一般的には立ち上げ直後で勢いのある企業を指します。スタートアップという言葉はアメリカのシリコンバレーで使われ始めたと言われており、日本でも一般的な用語として使われるようになってきました。
スタートアップと呼ばれる企業は、斬新なアイデアや先進的な技術でイノベーションを起こそうとしているケースが多いです。創業当初の「Facebook(現在のMeta社)」や「Apple社」、日本で言えばフリマアプリを運営する「メルカリ」や、プレスリリース発信サービスを運営する「PR TIMSE」などが、まさにスタートアップ企業と言えます。
スタートアップの特徴
ここからは、どのような特徴を持った企業がスタートアップと呼ばれているのか、代表的な特徴をご紹介します。スタートアップで働きたい人はもちろんですが、いずれはスタートアップ企業を創業したいという方も参考にしてみてください。
イノベーション
まず、先ほどもご紹介したように、スタートアップ企業はイノベーションを起こそうとしています。この世界に今までなかった価値を生み出す「破壊型イノベーション」を起こすことで、企業としての成長を目指していることが特徴です。
反対に、破壊型イノベーションを起こしてこそ「スタートアップ起業」という評価を獲得できるとも言えます。
ただし、スタートアップ企業が生き残るためには、生み出したプロダクトが市場に受け入れられる必要もあります。今までにない価値をイノベーションで生み出しつつ、その価値を市場に浸透させるPMF(プロダクトマーケットフィット)も目指さなければならない点も、スタートアップ企業ならではの特徴と言えるでしょう。
成長曲線
スタートアップ企業が狙い通りイノベーションを起こすことができれば、企業価値は急進的に伸びていきます。そのため、スタートアップの成長曲線は指数関数のようになることが一般的です。
しかし、イノベーションを起こす前には積極的な投資期間(赤字期間)が不可欠です。そのため、起業初期は成長曲線が下振れ、ある時を境に急成長を遂げる「Jカーブ」と呼ばれる成長曲線が、スタートアップ企業の代表的な特徴となります。
ゴール
スタートアップ企業の目指しているゴール(イグジット)は、大きく分けて2つあります。それは、事業売却(M&A・バイアウト)と株式上場(IPO)です。いずれにしても、企業としての価値を高め、株式を売却することが目的となります。
1つ目のゴールである事業売却(M&A)は、プロダクト単位で行われることもあれば、事業単位・企業単位で行われることもあります。自社の生み出したイノベーションと親和性の高い企業に買収されればシナジー効果が期待でき、さらなる成長が期待できるでしょう。
2つ目のゴールである株式上場(IPO)は、一般的には東京証券取引所への上場を目指すことを指します。スタートアップ企業はベンチャーキャピタルなどの機関投資家から出資を受けることも多く、それらの株主へ大きなリターンを返すために、IPOを目指すことも多いです。IPO後は上場企業の1社として、さらなる企業成長を目指すことになります。
組織
スタートアップ企業の組織体系は千差万別ですが、大きく分けると2つの系統があります。
1つ目は、フラットで自由な働き方が推奨される組織です。斬新なアイデアを生み出すために、上下関係や部署間の差をなくしている組織体系のスタートアップは多く見られます。おそらく多くの方がイメージするスタートアップ企業の働き方に近いのは、このようにマネジメントに頼らないフラットな組織(ティール型組織)かもしれません。
2つ目は、しっかりとした組織図に基づき、効率的なアウトプットを求められる組織です。IPOを目指している企業に多く見られますが、通常の企業よりもマネジメントを重視する組織体系を採用しているスタートアップ企業もあることは覚えておきましょう。マネジメント中心の組織の目的は効率的な急成長であることはもちろんですが、IPO時に重視される内部統制を意識している場合も多いです。
関係者
スタートアップ企業の代表的な関係者(ステークホルダー)は、ベンチャーキャピタル等の投資家です。ベンチャーキャピタルはスタートアップ企業に投資(出資)することで、株式の売却益(キャピタルゲイン)を得ることを目的にしています。
スタートアップ企業は株価(企業価値)を上げるため、関係者の期待している時期までに企業価値を成長させなければなりません。一般的な中小企業は経営を続けることが目的の場合も多いですが、スタートアップ企業が急成長を目的としている背景には、ベンチャーキャピタルなどの株主からのプレッシャーがあることも一因です。
従業員のインセンティブ
スタートアップ企業の従業員のインセンティブは、多岐に渡ります。代表的なインセンティブは、ストックオプションです。スタートアップ企業では事業投資に資金を回すため、従業員の給料が低めに設定されていることもあります。そのような環境の中で従業員のモチベーションを保つために、ストックオプションを発行しているスタートアップ企業は多いです。
また、イノベーションを起こすことによって社会に価値を生み出すという経験そのものが、従業員のインセンティブになっているケースもあります。自己実現欲求を満たすことで、スタートアップ企業の従業員は高いモチベーションを保っているのです。
スタートアップとベンチャーの違い
スタートアップと似た言葉に「ベンチャー企業」という言葉があります。「スタートアップ」は英語由来のビジネス用語ですが、「ベンチャー」は和製英語です。
ベンチャー企業とスタートアップ企業に明確な違いはありませんが、実際の使われ方には少し差異があります。一般的に、スタートアップは全くの0からイノベーションを起こそうとしている企業、ベンチャーはある程度確立しているビジネスモデルをベースにスケールアップを目指している企業を指している場合が多いです。
ここからは、上記の定義に基づき、スタートアップとベンチャーの違いについて紹介します。
投資ラウンドによる区別
スタートアップとベンチャーは、投資ラウンドが異なるケースが多いです。なお、投資ラウンドとは、投資家が投資を行うフェーズのことを指します。
スタートアップの投資ラウンドは、主にエンジェルラウンド〜シードです。スタートアップはイノベーションを起こそうとしている関係から、一般的な事業よりも失敗する可能性が高いです。そのため、成長可能性に賭ける初期フェーズでの資金調達が主となります。
一方、ベンチャーの投資ラウンドは、主にシリーズA〜シリーズDまでです。ベンチャーのビジネスモデルはスタートアップのビジネスモデルよりは見通しが立てやすいので、金融機関や投資ファンドなどからの資金調達が行いやすいことが特徴です。
ビジネスモデルによる区別
スタートアップとベンチャー企業は、ビジネスモデルで区分されることもあります。先述しましたが、スタートアップは今まで社会になかった価値を生み出す(イノベーションを起こす)企業を指すことが多いです。そのため、失敗する可能性も高いですが、爆発的に急成長する可能性もあります。
一方、ベンチャーは既に市場で受け入れられている事象を、既存のビジネスモデルを基にスケールアップしようとしている企業を指します。そのため、スタートアップよりは安定感があることが特徴です。
スタートアップで働くメリット
ここまで、スタートアップの特徴について解説してきました。スタートアップで働くことは楽ではありませんが、その分メリットも多いです。ここからは、スタートアップで働くメリットを6つご紹介します。
世の中に新しい価値観を発信できる
スタートアップで働く大きなメリットは、世の中に新しい価値観を発信できることです。スタートアップは破壊型イノベーションを起こし、これまでに存在していなかった価値を生み出すことを目指しています。そのような新しい価値を世の中に届ける組織の一員として活躍できれば、自己実現欲求を満たすことも可能です。
自分の存在意義を示したい人や、世界に影響を与えたい人など、なにか大きなことを成し遂げたい人にとってスタートアップは最適な環境と言えます。
担当できる仕事の範囲が広く、やりがいを感じられる
スタートアップでは一人ひとりが担当できる仕事の範囲が広いため、やりがいを感じられることも多いです。これは、自分の実力を試したい人にとってはメリットと言えます。
スタートアップ企業の多くは社員数も少なく、ビジネス上の仕組みも未成熟であることがほとんどです。そのため、自己の裁量で組織を動かすことができ、これから大きくなる企業の仕組作りに関われます。
困難な仕事が多いですが、成し遂げた際の達成感は大きいでしょう。
向上心が養われる
ここまでご紹介したように、スタートアップではイノベーションを目指しつつ、多くの担当領域で広い裁量の下、業務をこなさなければなりません。そのため、常に上を目指す必要があり、必然的に向上心が養われます。
自らの市場価値を高めることにつながるマインドセットを手に入れられることも、スタートアップで働くメリットの1つと言えるでしょう。
ストック・オプションを与えられる可能性が高い
スタートアップに創業メンバー、もしくは初期メンバーとしてジョインすれば、ストックオプションを付与される可能性が高いです。もちろん、ほとんどのストックオプションは、IPOしなければリターンを獲得できません。しかし、IPO後には莫大な報酬となる可能性が高いです。
既に上場している企業でストックオプションを付与されるためには、取締役などの経営層まで出世しなければなりません。その点、スタートアップであれば若くして資産を手に入れられる可能性があることも、メリットと言えるでしょう。
社長や上司との距離が近く、意見を言いやすい
フラットな組織形態のスタートアップであれば、社長や上司との距離感が近く、意見を言いやすいこともあります。自分の意見が通ることはもちろんですが、スタートアップを牽引する経営層と近い距離で仕事ができることは、それだけで価値があると言えるでしょう。
また、組織体系がしっかりしたスタートアップでも、社員数が少ないため、必然的に社長や上司との距離感を縮めて業務に臨むことになります。間近で働く機会が多く、ビジネスパーソンとしてのスキルを盗みやすい点も、スタートアップで働く大きなメリットです。
おしゃれなオフィスで働くことができる
最後に、おしゃれなオフィスで働けることも、スタートアップにジョインするメリットと言えます。スタートアップ企業の多くは、社員が働く環境を重視しています。社員数が少ないスタートアップでは、社員一人ひとりが発揮するパフォーマンスが経営状況にダイレクトに影響するためです。また、現在ではリモートワークも普及していますが、社員同士の顔を合わせることを重視しているスタートアップではオフィスもしっかり用意しています。
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